憲法改正と窓際太郎。

　思いますに、あれからもう千数百年がたっております。未だに大宝律令の恩恵にも日本国憲法の恩恵にもあずかっておりません。律令や憲法には縁遠い我が身ですが、その我が身からさらに日本国憲法が縁遠くなろうとしているようでございます。永田町界隈では憲法改正の話で持ちきりと聞いております。

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　悪法もまた法なりとはソクラテスの言葉だそうですが、日本国憲法が悪法だとも思われません。都合の悪いものは、人であれ憲法であれ取り除けばよいという風潮がこの国に蔓延し始めているのかもしれません。
　かく申す私もまた古代与党政権によって取り除かれた者ですが、この後にできた大宝律令が社会によく機能したという話しは聞いておりません。ただ、最右翼であった藤原政権だけがこの律令の機能を十分に引き出せたとのことにございます。
　思いますに、律令も憲法も、政治家にとっては単なる道具であったということなのでございましょうか。しかしでございます、道具なればこそ大事に使わなければならないのでございます。ゴミやさびを取り除かなくてはならないのです。ゴミやさびは道具から生じたものではありません、道具を使う者が生じさせたのです。ゴミやさびを生じさせた者をこそ取り除くべきです。

　思いますに、そもそも憲法は国家の根幹です。発展途上国ならいざ知らず、卑しくも先進国と自負する国がこれをむやみに変えるのは国家の信用を害する行為です。都合が悪くなったからといって約束を違えたのでは戦前の国家と同じです。

　それにしても、叩いた者はたたいた事を忘れるが、叩かれた者はたたかれた事を忘れないとはよく言ったものです。裕福と贅沢とおごりは紙一重、格差が進行する日本社会を動かす豊かな政治家、サイレントプアに甘んじすぎて、叩かれた者の主張をうるさく感じ始めたのだろうか。

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そこで、取り除かなければならないものを取り除かなかった皆様、
取り除かなくてもよいものを取り除いた皆様、
また、取り除かれそうな皆様、
皆様方にだけ特別な呪文をお教えいたしましょう。

色即是空　空即是色
　因果は巡る風車　チンチンポイポイ　ポイ捨て
　　要らないのいらないの　飛んでけー

結構でございました。

この呪文は、私がまだ大和の葛木山にいました頃に、葛木の一言主大神より伝授されたものでございす。呪力のほどは保障できませんが、窓際に座らされた時に唱えると、気持ちがよけい沈むそうでございます。悪しからず。