昭和は遠くなりにけり

古代に思いを馳せ、現在に雑言す。・案山子の落書・

2018-01-01から1年間の記事一覧

§38 儀鳳暦と大射。

十三夜に十五夜に十六夜、そして二十三夜。これらは全て月の呼び名です。ただし、これらの呼び名が成立するためには定朔の暦が出来ていなくてはなりません。 定朔の暦の最初は戊寅元暦と呼ばれているものです。ただ、時期尚早というか、これは後に平朔の暦と…

§37 朔旦冬至と即位、そして大嘗祭。

人は、夏の暑い日には日陰を好み、冬の寒い日には日向を好みます。もしかしたら、私達にとって、『古事記』と『日本書紀』とはそう云うものなのかも知れません。 また、人は、作物や草花を日向には植えても、日陰には植えません。そのせいか、庭の日向は決ま…

§36 大嘗祭の最初は持統天皇か。

飛鳥から木簡が出土し、大化の改新の詔の信憑性が疑われ出してから久しくなります。しかし、大化の改新そのものを疑う人は未だ居ないようです。まして、壬申の乱を疑う人はさらに居ないでしょう。しかし、改新の詔を疑う以上、大化の改新そのものをも疑うと…

§35 天武紀の道標、大嘗祭。

『日本書紀』を読んで思うことですが、『日本書紀』は支配する側の論理によって書かれていると。 しかし、こうも思います。すなわち、これを書いたのは支配される側の人達であると。したがって、ここには支配される側の論理もあると。 思いますに、『日本書…

§34 国津神は歌い、天津神は歌わず。

随分と昔のことですが、私は中学の修学旅行で立ち寄った神社で初めて御神籤を買いました。しかし、それが吉だったか凶だったかは今はもう憶えていません。それに、たとえそれが吉であったとしても、アイスキャンデーのおまけ当たりほどの喜びがあったとも思…

§33 倭建が背負ったもの。

建前と本音。心中はNoであるのに、Yesと返事をしてしまう。裏と表を使い分ける。今もそうだとは申しませんが、これが一昔前の日本人でした。しかし、これぞ陰陽の極意。狭い日本のことです、裏と表を使い分けてこそ狭い日本も広くなるというもの。 神功と景…

§32 ワケの系譜と天智天皇九州死亡説。

天孫の系譜は天照より始まります。いや、正確には須佐ノ男と天照との兄弟げんかより始まりますとするべきかもしれません。なぜなら、旧約聖書にも人類の系譜が兄弟げんかより始まると記されているからです。思うに、人類の争いの系譜をたどれば兄弟げんかに…

§31 欠史8代、物語10代。

神功を卑弥呼と見做し、『百済記』との間に120年のずれを生じさせた『日本書紀』。後世はこれにどう対処すればよいのか。そもそも『日本書紀』は神功を肯定しているのか、それとも否定しているのか。 思うに、興にも武にも当てはまらない雄略を倭の五王の時…